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細井農園の歴史と現在

細井農園は、1900年に和束町中にて細井兵次郎が創業し、2代目源次郎、3代目一夫、4代目一憲、5代目当代当主(細井堅太)へと122年続く和束町を代表する日本茶生産農家です。(2022年現在。)

創業した明治時代、日本は工業化が進むもまだまだ和束町は人力での茶生産が中心で、文字通り一族が心血を注ぎ茶畑を開墾し、そして様々な時代・環境の中、製茶技術や経営を引き継ぎ良質な日本茶生産を続け現在に至ります。

現在、自社では、24歳の時に5代目になった現代表の堅太が中心になり家族にて経営を行っています。

茶畑4.4haを管理し、茶畑から茶の生産販売をし、中共同製茶組合(製茶工場)で組合長として受託製茶加工もしています。

2011年からは、主要生産品の茶に加えて、ブルーベリーの生産販売も始めました。

当代の細井堅太について

当代堅太は大学卒業後、静岡県島田市にある国立野菜茶業研究所にて2年間茶業を学び、特に製造分野を専攻し荒茶製造工程から仕上げ工程、手もみ製茶工程を深く学びました。

その野菜茶業研究所での研修時代、全国の熱心な茶農家や茶問屋など茶販売業者の後継者との深い繋がりを築き、先輩・同期・後輩を合わせ60人以上の茶業関係者と現在も交流し、最新情報取得・技術向上に活かしています。

そして、2018年に、全国手もみ製茶技術競技大会にて最優秀賞を獲得し日本一になりました。

また、和束茶手揉技術保存会会長や、京都府茶業連合青年団副団長も歴任し、和束茶ブランド認知度向上にも寄与しています。そのため、2021年7月放送の、N H Kの和束茶紹介番組で紹介されたり、東京オリンピックの聖火ランナーにも選ばれました。

細井農園が伝えたいこと

自社の経営方針は、「農業は楽しい生業(なりわい)であることを実践し、お茶ってすごく楽しいんだ」をより多くの人に伝えることです。

このことは、代表が、幼い頃から両親や祖父母の後ろ姿を見て育ち、そして、自身の決断として家業である細井農園を継ぐと大学生の時に決めました。

一般的に、農業は体が資本でとても大変である、肥料などの農業資材が臭い汚い、朝から晩まで働いても給料(報酬)が低いなどのイメージがあると思われます。

実際そういう側面もあると考えますが、宇治茶の主産地である和束の茶業や、実家である細井農園を見て育ち、違う側面の魅力を多く感じること、体験することが出来ました。

例えば、自然と一体になり作物を育て、その営みと恵みである作物を多くの人に提供し、飲んでもらえたり食べてもらえ、感謝される場面に遭遇してきました。

自然が相手なので、努力が必ず結果に結びつかない時もありますが、自身がやったことが形となり、味わうことや、香りを楽しむことができる農業の素晴らしさを知ってもらいたいと思います。

特に、お茶は保存ができるため、去年の自分のお茶や品種・畑での違いをゆっくりと堪能できること、また他の茶農家がつくったお茶も楽しめることが素晴らしいです。

お茶(茶道)は、日本を代表する文化の一つと言われることがあります。茶道も素晴らしい「お茶」ではありますが、細井農園で伝えたいことは、農業・茶業の現場から、お茶をつくること、お茶を淹れること、お茶を飲むこと、お茶を語りあうことが、すごく楽しいということなのです。

この楽しいを伝えることが、日本や和束町の、農業や茶業の後継者不足を解決する一つの方法ではないかと考えています。